凄い宣伝・・・パフォーマンス・・・?
2008-01-20
今日、地下鉄千代田線の湯島駅からの帰りの車中でのこと。俺は結構な集中力で本を読んでいました。たしか赤坂駅だったと思う。停車して、乗客が乗り降りして発車後すぐに一人の女性の声が響いてきた。また大声で電話で話す声かと思ったものの、電話とは声の方向が違う。まして地下鉄なので電車が走り出すと電波は切れる。女性の声は、「私、53歳で広島から出てきて、演歌歌手になれるかもしれないんです。」
「歌もすごく良い歌で、ぜひ皆さんに聞いて欲しくて、覚えて欲しいんです。」
声の方を見ると、彼女は俺の方には背を向けて、スピーチしていました。それ程混んでない地下鉄の車内で間もなく彼女のささやかなパフォーマンス(?)が始まりました。彼女は自分の歌をみんなに紹介するように、また、一緒に歌って欲しいという気持ちで歌いかけていました。
俺は彼女の背中越しに聞こえてくる彼女の歌声を聞きながらいろいろ想像しました。
「ホントに演歌歌手になれるのか?」「誰かに騙されてるんじゃないか?」
「なんで夜の地下鉄の車内で歌うんだろう?」「でも確かにこんな風に彼女に遭遇したら衝撃だなぁ。」
「何とか宣伝しようと必死になってのことなんだろうか?」「それにしては声が弱いな。」「でも幸せそうな声ではあるな・・・」
「終点まで乗って歌ってるんだろうか?」
彼女の背中の向こうには乗客たちの顔があった。優しいまなざしも幾つかは見られたものの、大半は無視。というか、どう反応していいか分からない、対応に困ってるといったものだった。
程なく彼女の歌が止み、次に聞こえてきたセリフは、
「歌詞、忘れちゃった。」
それから彼女は喜びに溢れた声で、応援して欲しいというメッセージを残し、次の駅で降りて行った。再び乗客の乗り降りがあり、車内は何事も無かったかのようにごくありきたりの地下鉄風景に戻った。
どうせ人前でやるならちゃんとしたことをやればいいのに。
彼女がどんな理由で地下鉄で歌ったのかはわからない。けれど人に歌を聞いてもらいたかったら、自分の歌を覚えて欲しかったら、それ相応の力がなければいけない。
そして地下鉄の車内で歌うというのは、ちょっと反則的だと思う。聞かされる側としては逃げ場が無い。
歌手というならそう言うに足るだけの力を持たなければいけない。
気持ちだけでは何も伝わらないです。




